かかりつけ歯科医と病診連携
 
2004年2月号掲載


皆さんは「かかりつけ歯科医」をお持ちですか?痛いときにどこかの歯科に飛び込み、痛みが治まれば通うのをやめてしまう、こんなことを繰り返して最後には歯を抜かなければならなくなり、歯医者さんにちゃんと通っていればねぇと言われた経験のあるかたもおられるでしょう。また、「かかりつけの歯科医」というのは、昔から一軒の歯医者さんにずっと行っているけど、それはやはり虫歯ができた時だけ…と言うのでもありません。もちろん歯科のドリルの音や麻酔をうった後の気持ち悪さなど、行きたくなくなる気持ちもよく分かります。その思いをしないために必要なのが「かかりつけの歯科医」なのです。痛みや症状のないときこそ、長期間にわたってお口の健康を管理してもらうため、定期的にお口のチェックをし、痛いところを治すだけではなく悪くならないように歯の健康を維持増進し、80歳で健康な歯を20本残す目標を達成する。これが、「かかりつけ歯科医」の役割なのです。

 それに、「かかりつけ歯科医」を持ち、長期間お口の中を管理してもらっていけば、その歯医者さんにあなたの歯や顎のデータが沢山残ります。そうすると、もし、「かかりつけ歯科医」のところでは処置できない病気や問題が起きた時など……例えば埋もれた親知らずが腫れ、抜かなければならなくなった時とか、お口の中に腫瘍ができてしまった時などに、今までの経過やデータを書いた紹介状をもって「病院歯科」を受診すると検査などが少なくてすみより早く治療を行うことができます。交通事故にあって歯や顎が折れた時なども、もともとの噛み合わせを参考に治すのですが「かかりつけ歯科」の先生がおられればその先生に聞けば直ぐにわかることが、もしおられなければ一から検査して行かねばなりません。これが、最も良い病診連携(一般開業歯科と病院歯科の治療の役割分担)だと言えるでしょう。

 現在、藤井寺市では歯科医師会の中に開業歯科と病院歯科がともに会員として所属し常時連絡の取れる体制を作っています。また会員の病院歯科でも手におえないような症状の患者さんは、大学附属病院や労災病院などの大きな病院に紹介できるようになっております。これを病病連携(病院歯科間での治療役割の分担)といいます。このように万が一大きな病気や問題がおきたときの病診連携、病病連携がスムーズに、充分に機能させ、あなたの病気を速やかに治すためにも皆さんが「かかりつけ歯科医」を持ち常時お口のなかを管理してもらうことが必要なのです。