歯周病と成人歯科検診
 
2003年6月号掲載


歯周病は初期の段階ではほとんど自覚症状が無く静かに潜伏的に進行し、自分で気づいたときにはすでにかなり進行していて、場合によっては手遅れ状態という非常に厄介な病気です。このことを指してサイレント・ディジーズ(Silent Disease) と呼ぶこともあるほどです。

 では、この歯周病の主な原因は何なのでしょうか。それは「口の中に住む細菌」です。お口の中につく汚れがきちんと取り除かれていないとそこに細菌が繁殖し、歯垢をつくり歯茎が腫れ、歯周病が発生します。それには、ハミガキの方法、細菌を繁殖させやすい食生活、口での呼吸、喫煙などの生活習慣も影響し、そのため結局歯周病を予防するためには、自分自身で行う自己管理が重要となります。

 まずは一度あなたも、口の中をチェックしてみてはいかがでしょうか。歯の生え際の歯茎が赤くなっていたり腫れや出血がある。またそこに、淡黄色や暗褐色の歯石が付着している。口臭を感じる。歯が動いている。などがチェックポイントです。
 ただ、どうしてもこういった自己チェックや、ハブラシなどでの自己管理には限界があります。人はだれでも、「自分だけは大丈夫」という希望的な思い込みもあり、その上完璧なブラッシングをしている人でさえも、6か月、1年と経過すると歯石沈着が認められる場合があって歯科医の専門的チェックは必要です。

 しかしこうは言っても、痛みを感じる症状が無ければ実際には歯科医院に行くことはなかなかできないようです。そこで、自覚症状が無い方、また気づいていてもなかなか歯科医院へ行きにくい人こそ藤井寺市が実施している成人歯科検診(満40〜50、55、60、65、70歳を迎える藤井寺市民のかたを対象に無料で行っている。)を一つのきっかけに利用されてはいかがでしょう。末永く人生を楽しむためにも丈夫で健康な歯はとても大切なものですから。