顎関節症(がくかんせつしょう)
 
2003年2月号掲載


顎関節症という病名は、あまり一般的に知られていないようですが、以前からある病気で珍しい病気ではありません。ご自分ではお気づきでない軽度の症状のかたを含めれば、かなりの割合で確認できるほどです。昔は咬み合わせが原因と言われた時代がありましたが、それと違い、最近では高血圧症や糖尿病などと同じような「生活習慣病」と考えられるようになってきました。

 症状としては次に挙げるようなものがあります。

○口を開けようとするとき耳の前やあごが痛い。
○口を開けるときにあごの関節から音がする。
○あくびなどで口を大きく開けたくてもそれができない。
○いつもと咬み合わせが変わる…などです。

 しかし、このような症状があるからといってあまり神経質になりすぎるのもよくありません。日常生活での少しの注意で改善する場合も多くみられます。

 あなたは、次のようなことを行っていませんか?

○日中、集中して何かをしているとき、くいしばっている。
○ほおづえをついたり、姿勢が悪い。
○うつぶせで寝ている。
○ストレスがたまっている。
○寝ている間に、歯ぎしりをしているようだ。

 このようなことが原因になって症状が発生するようです。もし自分自身で少し調子が悪いと思ったら、まずそれらの癖を行わないように注意し、あごの関節やあご、耳、ほほのあたりの筋肉に負担をかけないようにします。それだけで、症状が軽減し治っていく人がかなりいます。

 ただ、同じことをやっていても人によって症状の出る人もいれば出ない人もいるのが事実で、原因になっているであろう要因も複雑に絡み合っている場合があります。上記の症状が、たびたび起こったり、徐々に悪化していったり、長期間症状の改善がみられなく痛みなどにより日常の生活に支障が出てくる場合は、専門歯科医の診療を受けられることをお勧めします。